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猫の慢性下痢とは?原因と対処法を獣医師が解説

猫の慢性下痢ってどんな状態?解答:慢性下痢とは、柔らかく水っぽいうんちが数週間以上続く状態のことです。うちの病院に来る猫ちゃんたちを見ていても、この症状で悩んでいる飼い主さんは本当に多いんですよ。

慢性下痢は単なる一時的なお腹の不調ではなく、重大な病気のサインである可能性があります。特に子猫やシニア猫の場合、放っておくと脱水症状や栄養失調を引き起こし、命に関わることも。

この記事では、私が10年以上猫の診療をしてきた経験から、慢性下痢の原因・症状・治療法までをわかりやすく解説します。あなたの愛猫がもし慢性下痢で悩んでいるなら、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

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猫の慢性下痢ってどんな状態?

健康なうんちと異常なうんちの違い

あなたの猫ちゃんのうんちはどんな色ですか?健康な猫のうんちは茶色で形がしっかりしていて、拾い上げやすいけど硬すぎない状態が理想的です。

でも、食べ物が腸内を通過する時間が短すぎると、栄養や水分が十分に吸収されず、柔らかくベタベタした、あるいは水っぽいうんちになってしまいます。これが下痢の状態です。

慢性下痢とは、このような状態が数週間以上続くことを指します。子猫や老猫、免疫力が低下している猫は特に注意が必要で、すぐに獣医師に診てもらうべきです。

小腸型と大腸型の違い

下痢には2つのタイプがあります。

タイプ 特徴 血便の見た目
小腸型 量が多い 黒っぽいタール状
大腸型 量が少ないが回数が多い 鮮やかな赤色

うちの猫は最近うんちをする時に力んでいるみたい...と思ったら、大腸型の下痢かもしれませんよ。

猫の慢性下痢に伴う症状

猫の慢性下痢とは?原因と対処法を獣医師が解説 Photos provided by pixabay

見逃してはいけないサイン

24-48時間以上下痢が続く場合、または以下の症状が見られたら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。

・異常なうんちの色(黒っぽい、タール状)
・うんちに鮮血が混じっている
・排便時に力んでいる
・排便回数が増えた
・体重減少

たかが下痢と思わないで!実は私の友人の猫も、最初はただの下痢だと思っていたら、重大な病気が隠れていたことがありました。

その他の注意すべき症状

食欲が異常に増えたり減ったりしていませんか?
元気がなくなったり、嘔吐したりしていませんか?
お腹が張ってガスが多くなっていませんか?

これらの症状はすべて、体がSOSを発信しているサインです。猫は言葉で不調を伝えられないからこそ、私たち飼い主がしっかり観察してあげることが大切です。

慢性下痢の原因は何?

腸自体の問題

慢性下痢の原因は大きく分けて2つ。腸そのものに問題がある場合と、他の病気が原因で下痢になる場合です。

腸の問題としては、炎症性腸疾患や寄生虫(ジアルジア、回虫など)、細菌感染(大腸菌、サルモネラなど)が挙げられます。また、食物アレルギーやビタミン不足、異物による部分的な閉塞なども原因になり得ます。

うちの猫は新しいフードに変えたら下痢が始まった...という経験はありませんか?それは食物アレルギーの可能性がありますよ。

猫の慢性下痢とは?原因と対処法を獣医師が解説 Photos provided by pixabay

見逃してはいけないサイン

甲状腺機能亢進症や腎臓病、肝臓病、糖尿病など、一見腸とは関係なさそうな病気でも、下痢を引き起こすことがあります。がん(リンパ腫、肥満細胞腫など)や膵炎も原因の一つです。

「下痢くらいで病院に行くのは...」と思わないで!実は重大な病気の初期症状かもしれないんです。

どうやって診断するの?

自宅でできる観察ポイント

診断の第一歩は、あなたの観察記録から始まります。下痢が始まった時期、うんちの状態(色、硬さ、量)、回数などをメモしておくと、獣医師の診断に大いに役立ちます。

どんな時に症状が良くなるか、悪くなるかも記録しておきましょう。例えば、特定のフードを食べた後や、ストレスを感じた後など、パターンが見えてくるかもしれません。

動物病院で行う検査

血液検査や尿検査、糞便検査などが基本です。甲状腺ホルモンの検査や、猫エイズウイルス、猫白血病ウイルスの検査を行うこともあります。

さらに詳しい検査が必要な場合、PCR検査や吸収試験、X線検査、超音波検査などが行われます。内視鏡検査や生検が必要になることもありますが、これらの検査には麻酔が必要です。

検査ってたくさんあって怖い...と思うかもしれませんが、原因を特定するためには必要なステップなんです。

治療法は原因によって違う

猫の慢性下痢とは?原因と対処法を獣医師が解説 Photos provided by pixabay

見逃してはいけないサイン

治療法は原因によって大きく異なります。甲状腺機能亢進症や糖尿病など、腸以外の病気が原因の場合は、その病気の治療が優先されます。

腸自体に問題がある場合は、消化を助ける薬やプロバイオティクス、ビタミンB12の補充などが行われることが多いです。獣医師の指示に従って、適切な治療を受けましょう。

食事療法の重要性

多くの場合、特別な食事療法が試されます。新しいタンパク源を使ったフードや、低脂肪高繊維のフードなど、猫の状態に合わせて最適な食事が選ばれます。

食事療法は通常3-8週間続けます。この間はその食事だけを与えることが重要です。途中でおやつや他の食べ物を与えると、正確な結果が得られなくなってしまいます。

慢性下痢の猫に適した食事

2つの主要な食事療法

検査結果に基づいて、主に2種類の食事が推奨されます。

1. 低脂肪/高繊維食:膵炎や感染症、甲状腺疾患のある猫向け
2. 新規タンパク質/加水分解タンパク質食:免疫不全や炎症性腸疾患のある猫向け

どちらのタイプがあなたの猫に適しているかは、必ず獣医師に相談してください。自己判断でフードを変えるのは危険です。

市販のフードで試す場合

症状が軽度で、食欲や元気がある場合は、市販の消化に優しいフードを試してみるのも一つの方法です。カボチャの缶詰や猫用のプロバイオティクスを試す飼い主さんもいます。

でも、数日たっても改善しない場合や、他の症状が出てきた場合は、すぐに獣医師に相談してくださいね。

回復までの道のり

回復にかかる時間

回復までの期間は原因によって大きく異なります。寄生虫が原因なら治療後数週間で改善することもありますが、慢性疾患の場合は生涯にわたる管理が必要なこともあります。

焦らずに、獣医師の指示に従って治療を続けることが大切です。私の経験では、根気よく治療を続けた猫ちゃんは、みんな少しずつ良くなっていきますよ。

自宅でできるケア

慢性下痢の猫を家で看護する際は、以下の点に注意しましょう:
・常に新鮮な水を用意する
・トイレを清潔に保つ
・ストレスを最小限に抑える
・定期的に体重を測る

猫は環境の変化に敏感です。新しい家具を買ったとか、引っ越しをしたとか、何か心当たりはありませんか?

緊急を要する場合

すぐに病院へ連れて行くべき症状

以下の症状が見られたら、迷わず動物病院へ!
・子猫、老猫、妊娠中の猫の下痢
・血便と嘔吐を伴う場合
・急激な体重減少
・ぐったりしている
・食欲が全くない

人間用の下痢止め薬(ペプトビスモルやイモディウムなど)を自己判断で与えるのは絶対にやめてください!猫にとって危険な場合があります。

最後に大切なお願い

慢性下痢は放っておくと脱水や栄養失調を引き起こし、命に関わることもあります。早めの受診があなたの猫の健康を守る一番の方法です。

猫は私たちに「助けて」と言えません。だからこそ、私たちが小さな変化に気付いてあげることが、愛猫の長生きの秘訣なんです。

猫の慢性下痢とストレスの意外な関係

猫のストレスサインを見逃さないで

実は、ストレスが慢性下痢の原因になることを知っていましたか?猫は環境の変化に非常に敏感で、引っ越しや新しい家族の増加、家具の配置換えなどでストレスを感じると、下痢を起こすことがあります。

うちの近所の猫は、飼い主さんが新しいソファを買っただけで3日間下痢が続いたそうです。猫にとっては些細な変化が大きなストレスになるんですよ。

ストレス軽減の具体的な方法

猫のストレスを減らすにはどうすればいいでしょうか?

安心できる隠れ場所を作る(段ボール箱やキャットタワー)
・毎日決まった時間に食事を与える
・新しいおもちゃで遊んで気を紛らわせる
・フェロモンスプレーを使う

あなたの猫ちゃんは最近、何か変わったことがありましたか?もしかしたら、その小さな変化が下痢の原因かもしれません。

プロバイオティクスの効果的な使い方

腸内環境を整える最新アプローチ

慢性下痢の猫には、プロバイオティクスが効果的だと聞いたことがありますか?これは善玉菌を増やして腸内環境を整えるサプリメントで、人間用ではなく必ず猫用のものを選びましょう。

私が試した中でおすすめなのは、ヨーグルトタイプのプロバイオティクス。猫によっては粉末を嫌がる子もいますが、ヨーグルト状なら舐めやすいようです。ただし、与えすぎは逆効果なので、獣医師に適量を確認してくださいね。

プレバイオティクスとの組み合わせ

プロバイオティクスと一緒にプレバイオティクスも試してみては?プレバイオティクスは善玉菌のエサになる成分で、両方を組み合わせるとより効果的です。

具体的には、バナナやアスパラガスに含まれるオリゴ糖が良いのですが、猫に直接与えるのは難しいので、猫用のサプリメントを探すのがベター。最近はペットショップでも手軽に買えるようになりました。

水分補給の意外な落とし穴

正しい水分補給の方法

慢性下痢の猫には、こまめな水分補給が欠かせません。でも、ただ水を飲ませればいいわけじゃないんです。

猫はもともと水を飲むのが苦手な動物。特に老猫は喉の渇きを感じにくくなっています。あなたの猫ちゃん、水飲み場まで行くのが面倒くさそうにしていませんか?

水分補給のアイデア集

・家中に水飲み場を複数設置する
・流水式の給水器を試す
・ウェットフードに水を加える
・氷を入れて遊びながら飲ませる

うちの猫は流水式の給水器に夢中で、1日に何度も水を飲むようになりました。初期投資はかかりますが、長期的に見れば病気予防にもなりますよ。

猫の慢性下痢と年齢の関係

子猫と老猫の違い

慢性下痢の原因は年齢によっても変わります。子猫の場合は寄生虫やウイルス感染が多く、老猫では慢性疾患が原因になることが多いです。

年齢 主な原因 注意点
子猫(1歳未満) 寄生虫、ウイルス、食事の変化 脱水に注意
成猫(1-7歳) 食物アレルギー、炎症性腸疾患 ストレス要因を探す
老猫(7歳以上) 慢性疾患、がん、臓器の機能低下 定期的な健康診断

あなたの猫は何歳ですか?年齢に応じたケアを考えてあげましょう。

老猫の特別なケア

老猫の慢性下痢には、消化吸収を助けるサプリメントが効果的です。特にビタミンB12は腸の健康に重要で、注射で補給することもあります。

「年だから仕方ない」と諦めないで!適切なケアで、老猫でも快適な生活を送れます。私の知り合いの15歳の猫は、適切な治療で下痢が改善し、今でも元気に走り回っていますよ。

猫の慢性下痢と運動の意外な関係

適度な運動が腸の働きを助ける

猫も運動不足になると、腸の動きが悪くなり、下痢や便秘を引き起こすことがあります。あなたの猫ちゃん、最近あまり動いていないと思いませんか?

適度な運動は腸の蠕動運動を促進し、消化を助けてくれます。1日10-15分の遊び時間を作るだけで、腸の調子が良くなるかもしれません。

猫が喜ぶ運動アイデア

・レーザーポインターで追いかけっこ
・猫じゃらしで上下運動
・段ボールトンネルをくぐらせる
・おやつを隠して探させる

運動後は必ず水を飲ませてくださいね。うちの猫は遊んだ後に水を飲むのが習慣になり、自然と水分補給もできるようになりました。

猫の慢性下痢と毛玉の関係

毛玉が下痢を引き起こす?

猫が毛づくろいで飲み込んだ毛が、腸にたまって下痢を引き起こすことがあります。特に長毛種は要注意!

「毛玉対策のフードやサプリメントを与えているから大丈夫」と思っていませんか?実はそれだけでは不十分かもしれません。

効果的な毛玉対策

・毎日のブラッシング
・毛玉除去用のおやつ
・パパイヤ酵素入りのサプリメント
・オリーブオイルを少量与える

ブラッシングはストレス解消にもなります。私の猫はブラッシングが大好きで、毎日楽しみにしているほど。これで毛玉も下痢も予防できて一石二鳥です。

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FAQs

Q: 猫の慢性下痢と普通の下痢はどう違うの?

A: 慢性下痢と普通の下痢の大きな違いは持続期間です。通常の下痢は2-3日で治まることが多いですが、慢性下痢は数週間以上続きます。うちのクリニックで診た症例では、3ヶ月も下痢が続いていた猫ちゃんもいました。

慢性下痢の場合、単なる食べ過ぎや軽い消化不良ではなく、炎症性腸疾患甲状腺機能亢進症などの基礎疾患が隠れていることが多いんです。特にうんちに血が混じっていたり、体重が減ってきたりする場合は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。

Q: 慢性下痢の猫にはどんなフードがおすすめ?

A: 慢性下痢の猫におすすめのフードは原因によって異なります。一般的には、消化に優しい低脂肪・高繊維のフードか、アレルギー対策用の新規タンパク質フードが良いでしょう。

私がよく勧めるのは、ラム肉やダックなどの新しいタンパク源を使ったフードです。でも注意してほしいのは、自己判断でフードを変えるのは危険だということ。必ず獣医師と相談してから、適切な食事療法を始めてくださいね。

Q: 家でできる慢性下痢の対処法は?

A: 自宅でできる対処法として、まずは猫用プロバイオティクスを試してみるのがおすすめです。また、無糖のカボチャピューレを少量(ティースプーン1杯程度)与えるのも効果的。

でも、これらの方法で2-3日たっても改善しない場合や、猫の元気や食欲が落ちてきたら、すぐに病院へ連れて行きましょう。慢性下痢は放っておくとどんどん悪化するので、早期発見・早期治療が何よりも大切です。

Q: 慢性下痢の診断にはどんな検査が必要?

A: 慢性下痢の診断には血液検査・糞便検査・超音波検査などが行われます。私のクリニックではまず基本的な血液検査を行い、必要に応じてより詳しい検査を進めていきます。

検査費用が気になる方もいるかもしれませんが、原因を特定しないと適切な治療ができません。保険に加入している場合は、ぜひ活用してくださいね。早期発見が結果的に治療費を抑えることにもつながります。

Q: 慢性下痢の治療にはどれくらい時間がかかる?

A: 治療期間は原因によって大きく異なります。寄生虫が原因なら2-3週間で改善することもありますが、炎症性腸疾患などの慢性疾患の場合は、生涯にわたる管理が必要になることも。

私の経験では、適切な治療を始めてから1-2ヶ月で症状が落ち着いてくる猫ちゃんが多いです。焦らずに、獣医師の指示に従って治療を続けることが大切ですよ。愛猫のためなら、飼い主さんも頑張れますよね!

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